CPUクーラーは大きく分類すると空冷式と水冷式の２種類があります。 空冷式はCPUに直接冷却装置を取り付け熱を放出し、水冷式は水冷ブロックと呼ばれるパーツをCPUに取り付け冷却液を循環させて熱を放出します。

空冷式では放熱フィンにファンを取り付けるものと、ヒートシンクのみ使用しファンをつけないファンレスタイプがあります。

水冷式では最初から水冷ブロックとラジエーターなどの必要なパーツが一体型になっている簡易水冷と、必要なパーツを別々で組み立てる本格水冷があります。

一般的には水冷式の方が冷却性能が高く静音性が優れる反面、費用が空冷式に比べて高くなります。

空冷式のCPUクーラーではヒートシンクが使われます。CPUに内蔵されているリテールクーラーを始め多くの空冷式CPUクーラーにはヒートシンクを冷却するためのファンがついています。 またグレードが高いものになると熱伝導率を高めるヒートパイプが備わっていたり、使用するヒートシンクやファンが大型になったりファンを２つ使用したりするものがあります。

ファンがついている空冷式のCPUクーラーはファンをヒートシンクの上部に設置するトップフロー型と、ヒートシンクの横に取り付けるサイドフロー型があります。 トップフロー型は下方向に風を送るため、CPU周辺のパーツにも冷却効果がされます。サイドフロー型はヒートシンクを大きくすることが出来るため高い冷却性能や大型ファンによるノイズの低減に期待が出来ます。

水冷式のCPUクーラーでは水冷ブロック、ポンプ、ラジエーター、ファン、チューブの５つのパーツで構成されます。本格水冷の場合はリザーバータンクが追加され、各パーツとチューブをつなぐためのフィッティングや冷却液が必要になります。 水冷ブロックは水冷ヘッドや水枕とも呼ばれ、CPUを冷やす役割を担います。水冷ブロックで温められた液体はチューブを通してラジエーターに送られます。冷却液を送るための役割をポンプが担っています。 ラジエーターは冷却液の温度を下げる放熱用のパーツで、冷却液によって温められたラジエーターを冷やすためにファンが備え付けられます。 ラジエーターによって冷やされた冷却液が水冷ブロックに戻り循環します。

CPUクーラー選びでは対応するCPUと必要な冷却性能、設置場所、静音性の４点に気を付ける必要があります。

CPUクーラーはマザーボードと同じように対応するCPUのソケットが決まっています。
使用するCPUのソケットに対応するCPUクーラーを選びます。
特にAMDのThreadripperのような大型のCPUの場合はCPUクーラーを選ぶため注意が必要です。

高性能なCPU程消費電力が多く、冷却性能が高いCPUクーラーが必要になります。 消費電力量が少ないCPUはリテールクーラーや比較的小型で低価格のCPUクーラーを選び、消費電力量が多いCPUでは大型の空冷CPUクーラーや簡易水冷型のCPUクーラーが必要になります。 CPUクーラーの冷却性能は対応TDPなどの数値で掲載されている商品もありますが、当サイトでは相対的に冷却性能を比較できる冷却性能値を掲載していますので是非ご活用ください。

CPUクーラーによっては設置できない場合があるため、設置場所を考慮します。
CPUクーラーによってはマザーボード上の機器と干渉する場合があります。特に大型の空冷式CPUクーラーを使用する場合は注意が必要です。 また、パソコンケースに収まらない場合があるため、ケースの奥行も確認が必要です。

簡易水冷式CPUクーラーの場合、ラジエーターの設置位置に気を付ける必要があります。パソコンケースによってはラジエーターが設置が出来なかったり、チューブの長さが足りない場合があります。 ラジエーター設置位置やCPUからラジエーターまでの距離をパソコンケースメーカーのホームページで確認しておくとよいでしょう。

CPUクーラーに付属するファンからノイズが発生します。水冷式の場合はポンプからもノイズが発生します。騒音が気になる方はここもチェックしましょう。 当サイトでは各CPUクーラーが発生するノイズの目安を掲載していますのでご活用ください。