マザーボードとは

マザーボードはパソコンで使用する様々な機器を接続する電子回路基板です。各機器に電力を供給したり機器間で電子通信を行う回路を持っています。

マザーボードのメーカーについて

自作パソコンにおけるマザーボードのメーカーはASUS, ASRock, GIGABYTE, MSI, BIOSTARの5社が有名です。 チップセットによってメーカーによる違いがあります。

大きさの規格

パソコンにおけるマザーボードの大きさの規格は主に4種類あります。 Extended-ATX(E-ATX), ATX, Micro-ATX, Mini-ITXで、一般的にはATXが使われています。 パソコンケースによって収納できる規格が決まっています。

ソケットとチップセット

ソケットとは、CPUを設置するために決められている規格で大きさやピンの形状が決まっているため、ソケットが同じCPUでないと取り付けることが出来ません。 チップセットとはCPUメーカーが定めた電子回路で、CPUが各機器と通信するために必要な電子機器です。 そのためチップセットが違うCPUはソケットが同じで物理的には取り付けることが出来ても使用することが出来ません。 チップセットはCPUと同じように発熱するため、冷却用ヒートシンクなどでカバーされています。

選ぶときに見るポイント

最初にCPUに合ったマザーボードを選びます。マザーボードから選んだ場合は、マザーボードにあったCPUを選びます。 ソケットとチップセットが決まったら、各社のマザーボードから細かい項目で比較しながら選んでいきます。 各項目は自分が最低限必要とするものを選び、拡張性や機能性と価格とのバランスを見て選ぶと良いでしょう。

マザーボードメーカー各社のWEBページに動作検証済みのメモリやCPU、ストレージなどの情報が掲載されているので使用予定の各機器の型番もチェックすると確実です。

ソケット
CPUに合ったソケットか確認します。
チップセット
CPUに合ったチップセットか確認します。 チップセットは発熱するため、ヒートシンクやクーラーファンがついています。
PCIExpress
PCI Express(PCIe)のバージョンやレーン数、使用できる数を確認します。

PCI Expressにはバージョンがあります。バージョンが高いほど転送速度が速くなります。PCIeのバージョンはPCI Express 4.0やPCIe Gen3のように表記されます。

PCIeにはレーン数があり、PCI Express x16Xや PCIe x16のように表記されます。グラフィックボードなどの拡張ボードによって使用するレーン数が決まっています。 レーン数が多いほど多くのデータを一度に転送することが出来るため、転送速度が速くなります。 使用する拡張ボードが複数ある場合や将来増設する可能性を考慮して、PCIeのスロット数が足りるか確認する必要があります。
メモリー
メモリースロットの数や使用できるクロック数、最大容量などを確認します。 CPUで制限されているクロックや最大容量が決まっているため、同じチップセットのマザーボードでは違いが出ることはありません。
VRM
VRMは主にCPU用に電圧を変換するための装置です。ハイパワーのCPUを使用する場合、VRMの発熱がパソコンの処理能力に影響を与える場合があります。 VRMフェーズ数が多いほど電力を分散することが出来、発熱を抑え多くの電力を安定して供給することが出来ます。(ただし多いとコストが高くなる) 使用されているPWMコントローラーやフェーズダブラーなどの電子パーツによっても能力が左右されます。
M.2
M.2 SSDの利用を考えている場合は有無とM.2ポートの数を確認します。PCIe 3.0と4.0など通信規格の違いがあるのも注意が必要です。同じソケットAM4のチップセットでも、X470はPCIe3.0、X570はPCIe4.0などの違いがあります。 また、M.2にはPCIe接続とSATA接続の2種類があり、これも確認が必要になります。
SATA
HDDやSSDをSATA接続するためのソケットの数がマザーボードによって異なります。使用するHDDやSSDの数が多い場合は見る必要があります。
RAID
RAIDは複数のHDDやSSDに同じデータを保存することで万一の機器破損時にデータ損失を防いだり、同時に複数のストレージにアクセスすることで読み書きの速度を向上させるためのものです。 マザーボードはRAID設定が出来るものがあるため、RAID構成でのストレージ運用を考えている場合はRAIDの対応状況を確認します。
LAN
通常マザーボードには、有線LANを使用するためのNICがついています。LAN Controllerの種類によって転送速度やレイテンシなどが変わります。 10Gbpsなどの回線を使用する場合や低レイテンシに拘った利用を考えている場合は使用されるチップや対応する通信速度などを確認します。
Wi-Fi
無線LANを使用するためのWi-FI機能がついているマザーボードがあります。Wi-Fiには規格があり、Wi-Fi 6やWi-Fi 5のように記載されます。数字が大きいほど通信速度が速くなります。 インターネットをWi-Fiで利用する場合でWi-Fi機能がついていないマザーボードを選ぶ場合は別途Wi-Fiボードを購入する必要があります。

マザーボードの便利機能

マザーボードによっては便利な機能がついている場合があります。 パソコンを自作していて困ったときに便利な機能が多いです。 便利機能は高額なマザーボードほどついています。

異常検知機能
通常マザーボードはパソコンが起動しないなど問題が発生した場合、ビープ音と呼ばれる警告音で異常を通知します。 問題発生時にビープ音ではなくデジタル表示で問題を通知する機能が搭載されたマザーボードがあります。 エラーコードを表示してくれるため、より細かい問題点を把握することが出来ます。
CMOSクリアボタン
CMOSはBIOS(UEFI)の情報を記憶するメモリです。これをクリアすることでBIOSを初期化することが出来ます。 通常CMOSクリアは、マザーボードにあるCMOS用のボタン電池を取り外したり、CMOSクリア用のジャンパをショートさせたりなど面倒な作業が必要です。 この面倒な作業が不要になるボタンがバックパネルについているマザーボードがあります。 オーバークロックで細かい設定をしたり、BIOSで色々な設定をしているとパソコンが起動しなくなることがあります。 そのような設定を多くしたい人にはとても便利です。
フラッシュBIOS
BIOS(UEFI)はハードウェアを制御するための設定を行うためのプログラムです。 このプログラムが古かったり、壊れたりするとパソコンが起動しなくなったり動作が遅くなったりします。 フラッシュBIOSはCPUを使わずにUSBメモリに入った最新のBIOSデータでBIOSアップデートが出来たりBIOSを修復したりすることが出来る便利な機能です。