ストレージ(HDD/SSD)とは

ストレージはOSやソフトウェア、作成したデータなどを永続的に保存しておく補助記憶装置です。 ストレージには主にハードディスク(HDD)やSSDがあります。DVDやSDカードなどもストレージの一種です。

HDDとSSD

ストレージには主にハードディスク(HDD)やSSDがあります。DVDやSDカードなどもストレージの一種です。 HDDはプラッターと呼ばれる回転する円盤状の金属を記憶媒体としデータを読み書きします。 機械的な動作を伴うため、SSDと比べると読み書き速度が遅くなります。

HDDの特徴

HDDはデータを保持するプラッタ、データの読み書きを行うヘッド、これらを動かすためのモーター、アーム、軸受けなどから構成される。 大きさの規格には3.5インチと2.5インチの2種類が主に使われています。 接続用インターフェースには通常SATAが使われます。 プラッタの回転数は通常7200rpmと5400rpmの2種類があり、他にもいくつかの回転数のHDDが存在します。

SSDの特徴

SSDはソリッドステートドライブの略称で、フラッシュメモリと呼ばれる半導体メモリを記憶媒体としてデータを読み書きします。 HDDと違い電子的な動作を行うため、読み書き速度、発熱量、消費電力、耐衝撃性、静音性、軽量小型化など多くの面で優れています。 大きさの規格はHDDと同じ2.5インチのものと、M.2(Type2280)が良く使われています。 2.5インチはAHCI、M.2はNVMeとAHCIの2種類のインターフェースを使用します。 この2つのインターフェースは通信規格が異なり、AHCIはSATAを、NVMeはPCI Expressでの通信となり、NVMeの方が高速です。 SSDの記憶媒体で使われる素子によってタイプが決まっており、SLC、MLC、TLC、QLCの4種類があります。

HDDとSSDの比較

HDDとSSDは主に価格と容量の面で住み分けされています。 機能重視であればSSDで、大容量が低コストでほしい場合はHDDのように考えられています。 他にもいくつかの点でHDDが優れている点があり、自身の用途によって選択する必要があります。

比較対象 SSD HDD 理由など
静粛性 HDDはディスクの回転および磁気ヘッドの移動の際に機械動作音が発生する。
SSDにはそのような物理的動作がないのでHDDよりも動作音は圧倒的に少ない。
アクセス速度 HDDはディスクの回転と磁気ヘッドの移動によって目的のデータにアクセスするためシークタイムが発生する。
SSDはそのような物理的駆動がない。
書き換え耐性 SSDが情報の記録・読み出しに使用しているフラッシュメモリは、書き込み・消去(内部動作)のたびに素子が劣化する。
ウェアレベリングを用いてもHDDの耐性には及ばない。
書き換え頻度の高いデータベースやキャッシュなどの記録用途にはHDDが向いている(このような用途にSSDを使うと短期間で寿命を迎えうる)。
データの保持期間 SSDのデータ保持期間は10年前後。HDDの磁気記録そのものについては100年以上保持される。
(ただし、様々な環境による影響を受けてどちらも上下する)
省電力・低発熱性 HDDは円盤の回転に常時電力を使う。
SATA接続のSSDはデータアクセス時に大電力を利用する程度であるが、NVMeSSDではコントローラの発熱が問題となる。
耐衝撃性・耐振動性 ディスク型記録媒体は基本的に振動が加わると正常なデータアクセスが困難になる。
さらにHDDはプラッタと磁気ヘッドの間がごく僅かであり振動や衝撃が加わるとヘッドクラッシュを起こしうる。
耐環境性 SSDよりも高い環境温度まで対応している。産業用では動作温度-60℃~95℃まで対応している製品もある。
障害復旧 HDDは歴史が長くノウハウが蓄積され、データ復旧技術も確立されている。
SSDはメモリチップへの書き込み方法が搭載されているコントローラーチップに依存しており、故障時の完全なデータ復旧方法は確立されていない。
省スペース性 HDDはディスクを機材内に収めるスペースが必要になる。
SSDはメモリチップやコントローラチップなど部品のほぼ全てを、基板上に直接配置でき省スペース性に優れる。
容量単価 HDDは安価、SSDは高価である。
(ただし、徐々にその差は埋まりつつある)
大容量性 製品単位ではHDDの方が大容量である。
(ただし、徐々にその差は埋まりつつある)

SSD(SATA)とSSD(NVMe)の比較

SATA3.0とPCIe3.0の通信規格で見ると、シーケンシャルリードではSATA3.0は600MB/s、PCIe3.0では3500MB/s、HDDが100MB/sです。 ランダムリードではSATAが350MB/s、NVMeが550MB/s、HDDが1MB/sです。(それぞれの数値はおおよその目安です) シーケンシャルリードとは連続したデータを読み込むスピードで、ランダムリードはバラバラのデータの読み込みスピードを表す数値になっています。 例えば1GBを超えるようなファイルを扱う場合はシーケンシャルリードの値が参考になります。動画の編集や大きな画像の編集など。 この場合、SATA SSDの場合、HDDよりも6倍速く読み込むことが出来、NVMe SSDはSATA SSDよりも6倍ほど早く読み込むことが出来ます。 良く比較で使われるOSの起動やゲームの起動時間などはランダムリードの値が参考になります。 この場合はSATA SSDはHDDの350倍速く、NVMe SSDはSATA SSDの1.5倍ほどのスピードです。 実際には動画編集などの大きなファイルを扱わない限りはSATA SSDとNVMe SSDの速度的な違いはほぼないに等しいと思います。